2011年09月

2011年09月21日

家賃以外に支払うものには何があるか?

今回は家賃以外に支払うものについてお話ししましょう。

住む部屋が決定し、入居審査でOKが出れば、いよいよ契約です。

入居までの流れについて詳しくはこちら
↓↓↓
「募集から入居までどうすればいいのか?」

この契約をするときに家賃の他に支払うものがあります。
家賃以外のものをちょっと箇条書きにしてみると・・・

(仲介)手数料
礼金
敷金
火災保険料
保証料
・鍵交換費
・消毒料等
・設備費等
・自治会費等
・その他

こうして挙げると思ったよりたくさんあって、とんでもない金額になってしまう
ような気がしますが、実際は物件ごとに必要な費用が異なるので、
すべての物件がここにあるものすべてを支払う訳ではありません。

中でも、(仲介)手数料、礼金、敷金、火災保険、保証料は、
支払う物件が多い
のですが、すべてケースバイ・ケースです。

ここで各費用について簡単に説明します。
リンクのあるものは、このブログで別に記載していますので、そちらを読んでください。
(文字をクリックすると各項目を説明した記事にリンクします。)

ここでは、リンクのない項目について説明します。


鍵交換費
全体から見てそれほどは多くないのですが、
賃貸管理会社の管理姿勢(ポリシー?)が反映される部分です。

例えば、防犯面を重視する管理会社が管理する物件では、
入居者が替わる度に万一の防犯のために入居者の負担で鍵交換を条件
にしていることがあります。

この費用は強制ではないはずですが、実際に不動産会社の人から
防犯上のことなどを説明されると断りきれないものです。

特に若い女性の方の場合、現実に犯罪防止のためには鍵交換はお勧めしますが、
費用が発生するものなので、どうしても費用面で厳しい場合はこの費用について
交渉することはできます。


消毒料等
比較的大手の賃貸管理会社の物件に必要になることが多いのですが、
個人的にはやや微妙な費用だと思っています。

前入居者が退去した後、きちんと修繕をしているとすれば、その必要性に疑問が残ります。
しかし、実際のケースでは支払い条件になっている場合、拒むことが難しいと言っておきます。
もし、この費用を支払いたくないとすれば、物件を選びなおす必要があるかもしれません。

設備費等
ガスや水道などの使用料を測るにはメーターが必要なのですが、
賃貸住宅では1棟全体で1つしかこのメーターがないことがあります。

その場合、各部屋別の使用料がわかりません。
そのため、オーナーまたは管理会社が一括にまとめてその使用料を支払います。

このとき、各部屋の使用料が正確にわからないため、
平均的な使用料から計算した毎月の金額を各入居者から徴収しています。
この費用の前払い分を入居時に支払うことがあります。

この他、CATV(ケーブルテレビ)やインターネット接続料が必須な物件
もありますので、そうした設備の利用料がかかる場合があります。

この設備費は毎月支払うものもありますので、
入居時一回なのか、毎月なのか確認
しましょう。

自治会費等
これは対象物件が自治会に加入している場合、入居者が支払うことが多い費用です。

金額は毎月でみれば数百円程度なのですが、
毎月支払うケースと入居時一括で支払うケースがあります

また、自治会費が不要な物件も多いのですが、
・その場合は物件自体が自治会に加入していない、
・自治会活動が弱い、
・オーナーが負担している
など不要な理由は様々です。

さて、この自治会費は一見すると、無駄な気がする方もいるかと思いますが、
皆さんが出すゴミの収集にあたって、自治会は非常に深く関与しているのです。

極端な例ですが、自治会費を支払っていないため、ゴミ出しを断られたというケースもあります。
(かなり極端ですが。)
特に、ワンルームなどの居住者の方は自治会指定のゴミ置き場の清掃を
輪番制でしなければならないことは稀になります。
そうした清掃等を手伝う代りに自治会費を支払っていると言えるでしょう。
もちろん、自治会活動は様々なので、一概には言えませんが。

その他
上記以外にも様々な名目で必要な費用が発生することがあります。

その場合は必ず担当の不動産会社の方にどうして必要なのか聞いてください。
その中で納得できないものがあれば、交渉するか、その物件はやめましょう。

入居してしまってからでは、どうにもできない費用もありますから。


賃貸住宅とはいえ、持ち家と同じぐらい契約時に支払う費用や毎月支払う費用があります。

中には一見不要?と思われるものもありますが、必要なものがほとんどです。

ここで紹介した費用がすべてではありません。
その支払う費用に疑問を持ったら、面倒がらず、恥ずかしがらず、きちんと確認しましょう。

毎月の支出となれば、積もり積もって大きくなりますから。






r_e_father at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇賃貸住宅を探すとき |  ▼誰も教えてくれない基本の話

2011年09月20日

賃貸入居者が加入する火災保険

今回は、賃貸住宅に入居する際、加入する「火災保険」についてです。

最近は入居時に「火災保険」に加入することが(必須)条件になっている物件が大半といっていいでしょう。


そこでまずは、「なぜ、加入が条件になっているか」についてです。

仮に、ある入居者が原因で火災が発生したとき、
失火責任法(「失火法」ともいう。)※1」によって
その入居者は失火(火災)に伴う賠償責任を問われないことになっています。

つまり、自分が原因で火災が発生し、周りに被害を及ぼしたとしても、
その賠償責任はないということになります。

しかし、自分が原因で火災が起きたとき、
「失火責任法」でも「重大なる過失ある」ときは賠償責任が問われます。

また、賃貸借契約によって家主との間に「原状回復義務」を負っており、
これは損害賠償とは別で復元義務は履行しなければなりません


さらに、逆に自分以外の誰かが火災を起こし、延焼被害を受けた時は、
損害賠償してもらえません
から、自分の家財などは自分で守らなければなりません

こうした自分が被害を出したときの原状回復や被害を受けたときのために、
火災保険(厳密には火災保険と借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険がセットになったもの)
への加入が必要になってきます。

家主さんも火災保険に加入している方がほとんどですが、
家主さんが加入する火災保険では自分の家財までは守ってもらえませんし、
原状回復義務は入居者の負担なのでやはり火災保険への加入は必要になります。


<※1 参考>
失火責任法(正式名称:失火ノ責任ニ関スル法律)
公布:明治32年3月8日法律第40号
施行:明治32年3月28日
 民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス


また、火災の他、台風、地震等の災害や水漏れ事故、盗難なども火災保険
(地震は地震保険への加入が必要)でカバーします。


次に、その火災保険の補償範囲についてお話しします。


火災保険(家財の保険)
基本となる保険です。この保険に加入することで自分の家財を守る保険となります。


借家人賠償責任(特約)保険
賃貸入居者用の火災保険では、基本の火災保険にこの保険が特約として付くことがほとんどです
(この特約に加入するために火災保険に加入すると言ってもいいかもしれません)。
この保険は「家主(大家)さん」に対する補償を行うための保険ですから、
必ず加入しておきたいものです。


個人賠償責任(特約)保険
賃貸入居者用の火災保険では、この保険も基本の火災保険に特約として付くことが
多いものですが、中には付帯していないものあるようです。
この保険は「家主(大家)さん以外の他人」に対する補償を行うものなので、
やはり水漏れで下の階の方に被害を与えてしまった場合などは
この保険に加入していないと保証されません。


類焼損害(特約)保険
これは自分が火災を起こしてしまい、周りに火が移ってしまったときの保険です。
賃貸住宅ではここまで加入している方は少ないです(持ち家でも少ない)が、
自分が火元となって周りに被害(類焼あるいは延焼被害)を与えたら、
そこには住みにくくなりますね。

そうしたことがないように加入しておく保険ですが、
前述の通り、失火責任法によって損害賠償は負わなくてよいことになっています。

そのため、加入者が少ない保険ですが、賃貸住宅入居者向けの保険では、
ここまで付帯した火災保険に加入していることもありますので、確認は必要です。

持ち家の方は入っていた方が安心です。


地震保険
地震保険も単独では付帯できない保険で、火災保険の特約として加入するものです。
賃貸住宅の入居者の方が、地震保険まで入っておくかどうかは、
自分の家財を守るために必要かという観点で選ぶべき
保険です。

地震保険では、家財の場合最大で1,000万円までしか保険をかけられません。
一般的な賃貸住宅にお住まいの方は、この金額でも概ね十分な気がしますが、
高級賃貸にお住まいの方は、地震保険だけでは、すべての財産が守れませんから、
銀行の貸金庫を利用するなど別の手段で財産を守る必要があります。



難しい話もあって、よくわからなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、
賃貸住宅への入居時に加入する火災保険は決して無駄なものではありません

よほど高額な保険料を請求されていなければ、加入した方が正解です。

一般的には2年間の保険期間で2、3万円です。

もし、高額な保険料を請求されているなら、
不要な保険までセットされているかもしれませんので、注意が必要です。

ちなみに、住宅(居住)用と事業(店舗・事務所)用では、保険料もだいぶ異なります。



r_e_father at 17:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇賃貸住宅を探すとき |  ▼誰も教えてくれない基本の話

2011年09月16日

仲介手数料って何?

一度でも不動産会社を使ったことがある人はわかると思いますが、
初めての方向けに「仲介手数料」について説明します。

仲介(「媒介」とも言います)とは、賃貸住宅の所有者と入居者との間と取り持ち結び付けることです。
そのために不動産会社が所有者に代わって物件の情報を様々な形で発信し、
入居者を募ります。
賃貸に限らず、売買の場合も所有者と購入者を結びつけることを
仲介(媒介)といいます


特に、不動産仲介はそれを業(継続して仕事とすること)として営むには
宅地建物取引業の免許が必要
となり、宅地建物取引業法に従う必要が出てきます。

そして、仲介した場合の報酬が仲介手数料です。

基本的にこの仲介手数料は、成功報酬となっており、
契約を経て引き渡し完了となって初めて受け取ることができます
(契約時に一部受け取ることができますが、引き渡しができなかった場合には
受け取っていた手数料を返さなければなりません。)

また、仲介手数料は先の法律で報酬が決められており、
賃貸の場合は最大で家賃の1か月分
売買の場合は売買取引価格によって料率
が決められています。(共に消費税は別途。)


賃貸の場合の仲介手数料についてもう少しお話しすると、
貸主(家主)、借主(入居者)いずれからどのくらい支払ってもらうかは決まっていません


そのため、入居者が手数料全額の1か月分を支払うこともあれば、
0.5ヶ月分が入居者で残りは貸主が支払うということもあります


例えば、「エイブル」や「ミニミニ」といった賃貸専門の不動産会社では、
「仲介手数料0.5ヶ月」「仲介手数料50.25%(税込の表示)」と謳っていますが、
これは仲介手数料の半分は家主が負担しているということです。


ここで疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
なぜ、多くの不動産会社では「1か月」分なのか、と。

これはこれまで一般的に入居者に手数料を転化してきたからです。
まだまだ仲介手数料をすべて入居者が支払う物件の方が多いのですが、
一方では仲介手数料以外の部分で家主が負担するものも多くなってきています。
(例えば、修繕費用や広告宣伝費など)

そのため、これから先もしばらくは仲介手数料が入居者負担というのは続くかもしれません。

もし、この仲介手数料を全額入居者が負担することに納得できないなら、
初めから仲介手数料半額の不動産会社または物件を探すことをお勧めします。



r_e_father at 19:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇不動産用語の解説 |  ▼契約・条件

2011年09月14日

引っ越し前後に忘れてはいけない各種変更

「住民票」(住民異動届=転出・転入届)の話を前回しましたが、
今回はその他の届け出についてお話します。

私も2年間の間に3回引っ越したという経験がありますが、
リストできちんと管理しておかないと、どこまで住所変更したか
わからなくなってしまいます。

最悪、住民票以外では郵便局に「転送依頼」をしておけば、しばらく郵便物は届くのですが、
数年に1回しか連絡が来ないもの(資格の更新案内等)は、
住所変更を忘れてしまうと重要なお知らせが届かないということもあります。
資格の更新を忘れると資格取り消しということもありますから注意が必要です。)

そこで、私の経験をもとに引っ越した時の住所変更先リストを作って
みましたので、参考にしてください。

もし、皆さんがこのリストを参考に住所変更リストを作る時は
具体的な名称(○○銀行、□□カードなど)を入れながら、作ってチェックしていきましょう。

kakusyu_henkoutodoke


住所変更リストを見ていただくと、すぐできるものと時間のかかるものがあることがわかります。


意外と住所変更するものが多く、非常に面倒なのですが、引っ越してすぐに
変更しておかないと後になればなるほど面倒に思えてきます

ということで、面倒でもできればすぐに住所変更することを忘れずに。



r_e_father at 10:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇住宅が決まって入居の前後に |  ▼届け出

2011年09月13日

引っ越したら「住民票」の異動を一番に

賃貸住宅を借りて、忘れずにしなければいけないことは「住民票」の移転届です。

これをしておかないと、後で困ったことになります。

例えば、運転免許証の住所変更をする場合、住民票またはその写しが必要になります。

その他、銀行などの金融機関でも住所変更時に住民票の提出を
求められることがあります。

それ以前に、住民税などの税金でも不自然なことが起きますし、
学校や勤務先への住所変更申告と住民票が一致していないと
法律的な問題が発生することがあります。

詐欺師など犯罪者は、自分の居所を正確に把握されたくないため、
住民票は全く違うところに残したままという人もいます。
(現実にそういう人間を見たことがあります。)

一方、DV(ドメスティックバイオレンス)などの被害者の方が
あえて住民票は従前の住所地にしたまま、新居に住んでいることもあります。
(配偶者によるDVの場合、住民異動を調べられて追われることがあるからです。)

こういった特殊ケース以外の一般の方は住民票の異動届(転出・転入届)を出しましょう
(役所の人みたいですが。)


ちなみに、住民異動届は新居に引っ越してから、2週間以内と決めれれています

ということで、住民票の異動届は引っ越したら最初に届けてしまいましょう。


r_e_father at 10:00|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 〇住宅が決まって入居の前後に |  ▼届け出

2011年09月12日

どっちがいいの?マンションとアパート

賃貸住宅を探していると、特に初めての方であれば、
マンションとアパートではどちらがいいのか悩むことがあると思います。

そこで、今回は賃貸住宅を探すにあたってマンションとアパートの
どちらがいいのかについてのお話です。

まずは、マンションとアパートそれぞれのメリットとデメリット
比較表にしてみましたので、ご参照ください。

apart_mansion_hikaku


例えば、同じような立地なら、マンションの方が家賃は高くなります
(築年が古いマンションと新築アパートで同じぐらいになることがありますが。)

その理由は、表に記載した通り、建物の外観や耐震性、遮音性といった性能が
マンションの方がアパートより優れているから
です。

出来れば、マンションに住みたいと思う人の方が多いのではないでしょうか。


さて、賃貸住宅を選ぶ際の賃貸条件の優先順位では、常に「家賃」が上位にあります。

言葉で書けば、
予算(希望家賃)範囲内で、できるだけ広く、できるだけ駅に近く、できるだけ新しく
という感じでしょうか。

この他に、“日当たり”や“周辺環境”など様々な条件の希望がありますが、
上記の条件に比べたら順位は低くなります。

しかし、お金に関してはない袖は振れませんから、やはり「家賃」がその他の条件を
制約する
のは無理ありません。


話を戻すと、自分に支払える家賃の上限がある中で、より駅に近い
広い、新しいという条件を満たすとすれば、アパートになります


逆に、家賃はある程度支払っても、できるだけ駅に近い、遮音性や
耐震性なども気になるならマンション
になるでしょう。

顕著な例として、学生の方や若い社会人はアパートが多く、30代以上の
独身の方やファミリー世帯の方はマンション
を選ぶ傾向がありますが、
これは、やはり「家賃」の制約が大きく関係しています。


ここまでで、見えてきたマンションとアパートのどちらにするか選ぶ場合
のポイントは「家賃」
です。

従って、自分の支払える家賃が相場から見て低い場合は、アパートから
選んだ方がより希望条件を満たしたものを見つけることが出来そうです


それでも、限られた予算の中でどうしても「マンション」がいいという方は、
築年を古く、駅からの距離を離して探すしかありません。
まずは、築年の条件を下げて探し、それでもない場合は駅からの距離を離す
という感じの順番で探していくのがいいのではないでしょうか。

最後は、その方の希望条件の優先順位(つまり“好み”)です。

しかし、最近は新しいアパートと古いマンションでは、新しいアパートの方が
生活しやすいものが多くなっています


まずは、予算(希望家賃)範囲内の物件からマンション、アパート問わず
探してみることをお勧めします




r_e_father at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇賃貸住宅を探すとき |  ▼物件選びのコツ

2011年09月09日

「敷金」の意味と役割

首都圏他多くの地域では賃貸住宅に入居する際、
必要なお金として「敷金」というものがあります。

以前に比べると敷金も0(ゼロ)という物件も増えてきましたが、
まだまだ敷金は賃貸住宅の入居時に必要なものの一つです。

また、一部関西地方では「敷金」ではなく、「保証金」が必要になりますが、
本質的な意味や役割は同じです。


「敷金」の意味

敷金には、賃貸住宅に入居中に入居者が万一家賃等の支払いで滞った場合に
補てんするための預り金
の意味合いがあります。

もう少し具体的に言えば、家賃滞納をした場合や退去時の修繕費用のうち
入居者負担分を支払わない場合などに充てられる預り金です。

ただし、家賃の滞納があったからすぐに敷金を取り崩すかといえば、そうではありません。
あくまでも最後の手段として敷金があります

ここで注意すべき点は、
例えば、今月家賃の支払いが苦しいからといって入居者の側から
「敷金を家賃に充当してほしい」と言うことはできません


あくまで入居者や連帯保証人に支払い能力がなくなった、
夜逃げ等で連絡がつかないなどの非常時にのみ敷金が不足する支払金額に充てられる
ということです。

「敷金」の役割

さて、基本的な敷金の役割は、万一のための補てん資金です。
敷金はあくまで預り金ですから、基本的には退去時に返ってくるものです。

ただし、現実の役割として首都圏をはじめとする地域では、
敷金から退去時の修繕費を差し引いて残りが返金されるのが一般的です。

本来であれば、何事もなければ敷金は全額返金され、
別に退去修繕費用のうち入居者負担分を支払うということになりますが、
ここで金銭が往復するため、やり取りが煩雑になります。

そこで、面倒なので預かっている敷金から退去修繕費の入居者負担分差し引いて戻す
という仕組みになっています。
 
以前は、預けた敷金はほとんど返って来ないことが非常に多く、
敷金返還をめぐるトラブルが多発し、社会問題化しました。

それを受けて、平成10年に国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
という指針を策定したことから状況が変わりました。

東京都がこのガイドラインを受けて、
賃貸住宅のトラブルの原因になりそうなものは事前に説明することを
不動産会社に義務付ける条例を策定
し、
平成16年10月1日より「賃貸住宅紛争防止条例」(いわゆる「東京ルール」)を施行しました。

これにより、退去時の費用負担に関すること等を入居契約時にはっきりと説明することになりました。

また、上記のガイドラインと並行して裁判所の判断(判例)でも、
大家の負担すべき費用と入居者の負担すべき費用をはっきりと示されるようになりました


現在、首都圏では退去時の修繕費用のうち大半が大家(オーナー)負担となり、
原則として入居者は故意・過失または通常使用を超える部分についてのみ負担すること
がだいぶ一般的になってきました。

それでも、預けた高額な敷金が全く返って来ないなどの紛争はいまだにあります。
 

ここで、少しだけ首都圏以外の話をすると、京都や滋賀、一部吸収など関西地方では
「保証金」と「敷引き」という商慣習(システム)になっています
続きを読む

r_e_father at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇不動産用語の解説 |  ▼契約・条件

2011年09月08日

「礼金」の意味と役割

首都圏で賃貸住宅を探していると、「礼金」が必要な物件がまだまだたくさんあります。
地域によっては、「礼金」という概念がないため、「何それ?」と思う方もいます。
 
以前、あるオーナーさんの賃貸物件で、入居申し込みをした方の親御さんが、
いざ賃貸借契約という段階で、
「礼金、敷金なんて余分なものは支払うつもりはない。そういうものが必要ならこの契約はしない。」
と言って契約が壊れたという話を聞きました。

申込者本人はまだ学生さんで、契約当事者が親御さんだったのと、
その方が「礼金、敷金」という慣例のない地域にお住まいだったことから
起こった出来事でした。

これを読んでいる方の中にも、「礼金」の意味や役割がわからない方も
いるだろうということで、ここでは「礼金」についてお話しします。


「礼金」の意味

「礼金」という言葉から「お礼」というイメージが湧くかと思います。
「礼金」の発生や意味については諸説ありますが、
「戦後、住宅が不足していた時代に家主に対する
『家を貸していただいてありがとう』という“お礼”」

から発生し、東京を中心として広まったという話が有力です。

私は個人的に「この住宅を私に貸してもらえるなら余計にお金を払いますよ
という感じで始まったのではないかと思っています。
それが、いつの間にか「この家を借りたいなら、礼金を払ってから
という家主主体になったと考える方が自然な気がします。

さて、「礼金」の発生は、「住宅が不足していた時代」の話ですから、
今のように住宅が飽和状態にあるような時代には合わないもののように感じますね。

しかし、今でも慣例的に「礼金」がある地域では、
いつの間にか「礼金」に違う役割が出来てしましました


「礼金」の役割

それでは、今、「礼金」はどんな役割をしているのでしょうか?


続きを読む

r_e_father at 11:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 〇不動産用語の解説 |  ▼契約・条件